40過ぎてもまだまだ上手くなる!

みそろぐ

初心者さんにお伝えしたい! 音程の悩みを解決する最初の4ステップ

おはようございます。みそさんです。

私はトロンボーンや金管セクションなんかの指導をしているわけですけど、その一環として合奏を見学させてもらうこともよくあります。

そこで必ずと言っていいほどお目にかかるのが音程の問題。

吹奏楽でもオーケストラでもその他の編成でも、管楽器のアンサンブルには音程の問題はずーっとついてまわるもんで、某ピアノの先生に言わせれば

「吹奏楽って音程が悪いもんでしょ(笑)」

なんて言われることもあってちょっと悔しい。

そこで、合奏指導に当たる人間の端くれとしては少しでも整った音程に仕上がるようにいろいろ仕掛けるわけなんですけど、

音程注意して!よく聴いて!

とか言うことも、言われることも、言われているのを見ることもよくあります。
みなさんも似たような感じでしょ?

ところで、私にも中学生時代ってのがありまして、その当時も似たようなことを言われていた記憶があります。

そして、「よく聴いて!」と言われましても「聴いとるがな!」とか思っていました。

現役中学生の皆さんはそんな事ないですか?(笑)

今日は、音程にまつわる指導者の発言と、その具体的な意味、改善のポイントについてのお話です。

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「よく聴いて!」とは具体的にどういうこと?

この話に限らないのですけど、楽器の指導に関しては含意が広すぎたり、抽象的な言葉で指示されることがたくさんあります。むしろ具体的な指示のほうが少ないんじゃないでしょうか?

ビーフ100%な感じで吹いてください
イミワカンネ~(爆)

それでも、いちいち具体的な指示を求めていては合奏の効率が落ちるので、指導者が「よく聴いて!」と言ったときには何を聴き取ってほしいのか、それを聴き取った上で何をしてほしいのかを言われた側が読み取らなくてはなりません。

ぱっと思いつくポイントですが、

「よく聴く」のポイント

  • リズム
  • テンポ
  • 音程
  • 音色
  • 音量

あまりたくさん書いても混乱すると思いますし、今日のテーマである音程の話にしぼって続きを書いていきます。

「音程」をよく聴くとは?

十分に練習を積んだ人にとっては今更な話ですが、指導者はこういうつもりで言っています。

あなたの音程は周りと調和していないから、適切な音程で演奏してください。キレイにハモってね!頼むよ!

「高い」「低い」と言ってくれることもあります。

ところで、中学生なんかの多くはどんなに集中して聴いても自分が出している音程と周りの音程が調和しているのかどうかがわかっていません。

どういう状態が調和しているのかわからないのに「高い」だの「低い」だの言われても、それではまるでスイカ割りです。

高いの低いの言われるがままに従って正解にたどり着いたとしても、再現性は期待できないでしょう。

つまり、もう1度同じことをやれと言われてもできないってことです。

中学生や高校生に対して、できるように教えていないことを「当然できるでしょ?」というスタンスで求めるのは酷です。

まずはそこから脱出しないと、チューニングに1時間かけるとかいう謎合奏から抜け出せないんじゃないかと思います。

音程を良くするための4ステップ工程表

一応言っておきますが、私の考えですからね!あしからず。

これからご紹介する内容は、防音室のようなデッドな部屋よりもある程度響く部屋でやることをお勧めします。

最初は楽器じゃなくて声でやってみるほうが手軽でいいかもしれませんね。

 

step.1 ユニゾンが合っている状態の響きを確認する

まず、全く同じ音程の音を2つ鳴らして、その状態を確認します。電子音が正確ですが、できれば生音で聴きたいですね。

(A=442Hz)
(A=442Hz)
ぴったり!ひとりで吹いてるみたい!
キレイに響いて気持ちいい~♪

まずは自分は吹かずに、他の人の音でピッタリハモっているときの響きを確認します。

 

step.2 ユニゾンの音程がずれたらどうなるかを確認する

ハーモニーディレクター等の合奏指導用キーボードにはそういう機能がありますが、生音でも再現可能です。

完全に調和している状態から、1つの音はそのまま、もうひとつの音は少しずつ音程をずらしていきます。

最初は調和していた響きが、段々うにょうにょ~っとなるのを確認します。これが「ピッチがあってない」とか「響きが濁っている」とか言われる状態です。

(A=442Hz)


(A=442Hz)
           ↓

 段々低く

うぇぇ >_<
うにょうにょする!気持ち悪い~ >_<

まずは、正解と不正解をわかりやすいユニゾンで覚えるってことです。

聴いてみてはっきり理解できたら、今度は自分でやってみます。

ピッタリはまる感覚、ずれて居心地の悪い感覚を自覚できれば及第点です。

 

step.3 同じことを完全8度(オクターブ違い)でもやってみる

完全8度もユニゾンですけどね(笑)

全く同じ音程とオクターブ違いってことで、ちょっと違いますよね。ここでも同じくやってみます。

このときに「ベース音に乗っかる感じ」というか、「ベース音の倍音に滑り込む感じ」というか、そういうのも感じてもらえると尚いいですね。

(A=442Hz)

(A=442Hz)

うん!いい感じ。キレイ!

 

step.4 同じことを完全5度、長3度などのわかりやすい和音でやってみる

あとは応用編です。キレイにハモるポイントを見つけ出し、そこへピタリと着地する。肝心なのはやはり「よく聴く」ことなので、この練習をするときにはチューナーを使わないほうがいいでしょうね。

ぶっちゃけ、チューナーを見ながらやると非常にやりづらいんじゃないかと思います。

完全8度と違って、完全5度や長3度などはチューナーでピタリとあわせてもキレイにハモらないからですが、その話はまた次の機会にしましょう。

メモ

また、耳で正しい音程がわかるからといって、楽器で思った通りの音程が出せるかどうかはまた話が別です。混同しないようにしましょうね。

音程は合っているのにハモって聞こえないとか。

いや、そういうこともあります。あるんですよ。

ちょっと長くなってきたのでササッと行きます。

注意ポイント

  • 音量のバランスが悪い
  • 音色の差が極端
  • 耳の錯覚(高音域は低めに、低音域は高めに聴こえる)

他にもいくつかありますが、上記のような理由で物理的にはハモるはずなのにきれいに聴こえないことは結構あります。

また次の機会があればそれについてもお話したいと思います。

いずれにしても、音楽を美しいかそうでないかを判断するのは人間なので、人間の耳に美しく聴こえていればそれが正解だと思いますよ。

今日はこれにて、ごきげんよう~(^○^)

  • B!