おはようございます。
最近、またもや某流行り病が猛威を振るっておりまして、活動を制限されたり本番どころか練習の機会すら無くなったりしてませんか?
ワタクシはね、苦労してますよ。ガッツリと。
残念極まりないのですが、金管楽器はどうしても大きい音が出てしまうので自宅練習ができない人も多いのではないかと思います。ワタクシもそうです。
最近では学校現場で合唱や管楽器の演奏を控えるようにお達しが出ておりますが、随分前にヤマハさんが興味深い実験をしておりまして、その中で以下のように述べられています。
(前略)
発音方式の異なる4つの楽器群の中から、フルート、アルトサクソフォン、トランペット、ソプラノリコーダー、鍵盤ハーモニカを選択し、演奏時の飛沫の飛散距離や左右への広がりなどを観測しました。比較対象として、くしゃみ、発声を用いています。
その結果、今回の実験条件下では、楽器演奏による飛沫の飛散距離と左右への広がりにおいては、くしゃみ、発声と同等以下であることが観測されました。トランペットのマウスピースのみを使用した場合は、くしゃみ以下でありながらも、発声と同等またはそれ以上に飛沫が飛ぶ可能性が観測されました。また、トランペットやソプラノリコーダーの水抜き/唾抜きなどお手入れでも、飛沫が飛ぶ可能性が観測されました。(後略)
この実験が行われた当時はオミクロン株はまだありませんでしたが、これを見ると管楽器の演奏が「特にリスクの高い活動」なのか?と疑問を感じるのはわたしだけではないと思うのですよね。
文科省のお役人や議員の皆さんが上記の実験をご存じないとは思いませんが、それでもなお控える必要があるというならもう少し丁寧な説明があってもいいのではないかと思います。
そうは言えども、感染予防を最優先にという考えそのものは理解できますし、自宅に籠る必要があったとしても金管楽器には練習用ミュートってものがあるのでまだマシな方かもしれません。打楽器や木管の人の方が防音・消音の問題は切実かもしれませんよね。
そんなわけで、今日は練習用ミュートを使った練習のメリットとデメリットなどについて、私見を交えてお話してみようと思います。
それでは、行ってみましょう。
金管楽器の練習用ミュート
練習用ミュートにどんなものがあるかは、ちょっと調べればすぐにいくつか見つけることができると思います。
基本的には楽器のベル(朝顔)に装着する普通のミュートと同じように使います。
演奏用ミュートは音色を変えることが目的で消音効果は大したことありませんが、練習用ミュートは消音こそが目的です。
過去に1度だけ、ウィスパーミュート指定の曲に出会ったこともありますけどね。
練習用ミュート選びのポイント
私がいままで使ったことがあるのはヤマハのサイレントブラス(初期型)、ベストブラスのウォームアップミュート、ユポンのプラクティスミュートの3種類です。ウォームアップミュートは今も現役で使っています。
他にもオクラミュートとかシーミュートとか有名ですよね。
私は楽器店で働いていたこともありますが、ウォームアップミュートはやはり人気がありました。ベル収納ができるコンパクトさ、軽くて消音性能も高く、しかも安価。人気なのも当然ですね。
個人的にはサイレントブラスの現行モデルが非常によくできていると思うし、欲しいなと思うんですけど値段が高いのが残念です。中古市場にもあんまり出ないんですよねー。
今日はそれぞれのミュートの違いとかについては触れませんが、お求めになる際には「大きさ、重さ、消音性能、吹奏感(抵抗感)、音程、値段」概ねこの6点に気を付けて選べばいいんじゃないかと思います。
ポイント
- 大きさ ベル内に収納できるサイズがおすすめ
- 重さ 楽器の前が重くなる
- 消音性能 不十分だと役に立たない
- 吹奏感(抵抗感) いつもより吹き過ぎてしまうかも
- 音程 癖が強いと注意が必要
- 値段 ご利用は計画的に
練習用ミュートを使うメリット
ここからは、練習用ミュートを使って練習することのメリットとデメリットを書いていきたいと思います。
言うまでもないことですが、練習用ミュートは使わない方がちゃんとした練習になります。
防音室や練習スタジオに比べるとずっとお手軽なのは間違いないのですが、いくつか注意するべきポイントがあります。
大事なポイントを押さえて上手に付き合えば非常に役に立つ道具なので、うまく使っていきましょう。
まずはメリットからご紹介します。
練習用ミュートのメリット
- 防音・消音対策として圧倒的に安価
- 自宅で練習できる
- 本番前のウォーミングアップにも効果大
詳しく解説していきましょう。
メリット1 防音・消音対策として圧倒的に安価
練習用ミュートを購入するのは防音・消音対策として非常にコスパが高いです。
ものによって値段はいろいろですが、概ね1~2万円程度で購入できます。
消音性能はミュートによって大きく違いますが、ざっくりと-20㏈~-30㏈くらいが期待できます。
それがどれくらいかというと、装着してフォルテで演奏してもドア一枚隔てて隣の部屋にいれば、ほとんど聴こえないくらいになります。テレビでも付けてれば、まず気にならないでしょう。
ただし、音の聴こえ方やどの程度が気になるかは個人差がありますし、低音域は高音域より振動伝播性が高いなど、楽器の特性で多少差があります。
メリット2 自宅で練習できる
楽器に装着するだけで消音されますので、練習スタジオへ行く必要がありません。
自宅で楽器を取り出して、ミュートを着ければすぐに演奏を開始できます。
スタジオのレンタル料金とスタジオまでの交通費の他に行き帰りの移動時間や交通費が無くなることを考えれば、練習用ミュートは値段以上の価値があると言えます。
もちろん消音性能に限界はありますので完全に無音にはなりませんが、多くの人にとってはそれで十分なのではないでしょうか。
練習場所が使えないから自宅でマウスピースだけで音出しをするっていうのもよく聞く話ですが、1日や2日ならともかく何日もマウスピースだけで練習するのは逆によくないと思います。
メリット3 本番前のウォーミングアップにも効果大
練習用ミュートの効果は自宅練習だけではありません。
本番前の舞台袖で待機しているときに、ほとんど音が出ないミュートがあれば軽い音出しは可能になるかもしれません。
もちろんコンクールなどで絶対発音禁止の場合も多いでしょうが、そうでない状況ではステージ上で最初に発音するときの緊張を大きく和らげてくれるでしょう。
音出しができる楽屋が無い場合や、ハープやピアノが調律しているときも大きな音は出せませんよね。
ひとつ持っていると、何かと便利に使うことができます。
練習用ミュートを使うデメリット
ここまで書いてきたように、練習用ミュートは非常に便利な道具です。
これさえあれば防音室とか必要ないんじゃないか?と思いがちですが、残念ながら万能ではありません。デメリットもあります。
メリットと同様に細かく言うとキリがないのですが、注意が必要なポイントをいくつかご紹介しておこうと思います。
練習用ミュートのデメリット
- 楽器が思ったよりも重く感じる
- 音程が変わる
- 抵抗感が変わる
くれぐれもご注意いただきたいのですが、ポイントを押さえて上手に使えば練習用ミュートはとても便利で優秀な道具です。
使う際にはデメリットばかり気にしないで、総合的に判断してくださいね。
デメリット1 楽器が思ったよりも重く感じる
実用に耐えるミュート。すなわち売れ筋で多くの人に支持されているミュートは総じて軽量です。
楽器店で手に持ってみても「なんだ、思ってたより全っ然軽いじゃん」と思うかもしれません。
だが、ちょっと待ってほしい。
使うときには楽器のベルに装着します。そして、トランペットやトロンボーンの場合、ベルの位置は体幹部からまあまあ離れた位置にあるはずです。
ミュート自体の重さが軽くても、ミュートを装着した楽器を長時間保持するのは思った以上に重く感じるものです。
それによって姿勢が悪くなったり、腕(特に前腕部)が痛くなったりすることがあります。
腕の筋力が十分にあれば問題ないかもしれませんが、そういう可能性があるという事は知っておいてください。
デメリット2 音程が変わる
練習用かそうでないかに関わらず、ミュートを着けると音程は変化します。これはベルに突っ込むというミュートの性質上、どうしようもないことです。
昔のミュートに比べると最近のものは随分音程も改善されていますが、練習用ミュートを着けた状態でオープンと同じ音程を期待してはいけません。
わたしの愛用しているウォームアップミュートはそもそも練習用ミュートではなく「ウォームアップ」ミュートなので、音程にはけっこうな癖があるように感じます。買ったのは10年くらい前なので、その後改善されているのかもしれませんが。
演奏用ミュートならば、ミュートの癖に合わせて音程をコントロールすることも必要ですけどね。
そんなわけなので、練習用ミュートで長く練習していると耳が変化した音程になれてしまって、合奏などで音程が合わせにくくなる場合があります。
ただし、この問題はミュートなしで少し吹いていればすぐにリセットされるんじゃないかと思います。
デメリット3 抵抗感が変わる
ミュートはベルに突っ込んで使います。つまり、音の出口を塞ぐわけです。なので、抵抗感が変わるのは当たり前っちゃ当たり前です。
それの何が問題なのかと言いますとですね。抵抗感っていろんな要素があるんですよ。
例えば楽器に穴が開いていて息や振動が漏れていると、吹いた感じが重くなります。反応が鈍くなると言ってもいいです。
ところが、今回のパターンでは楽器が壊れているわけではないけれど、ミュートの影響で抵抗感が増すわけです。
この場合ちょっと特殊な状況になりまして、少ない息でも楽に音が出てしまう状態になることがあります。結果、演奏に使う息の量が知らず知らずに少なくなってしまう場合があります。
それと同時に、少ない息で音が出る上に音が小さくなるなっているもんですから、それに対応しようとして必要以上に強く吹く癖がついてしまうこともあります。
どちらもよくないです。ミュートを着けていても、オープンの時と極力同じ感覚で吹くようにしましょう。
長期間ミュートを着けて吹いていると、この「オープンの時と同じ感覚」がわからなくなってしまうのが一番の問題かと思います。
本日のまとめ
それでは、まとめに行きましょう。
とっても便利で優秀な練習用ミュートですが、残念ながら万能ではないのでいくつか注意すべきポイントがあります。
それらを踏まえて、上手に使っていきましょう。
本日の内容は以上です。
今回の記事が皆さまのお役に立てばうれしいです。
それではどうも、ありがとうございました。