マーチング練習効率化企画。
シリーズになるかどうかは今後の展開次第ですが、今日はラインを素早く引く方法について書いてみますよ。
多くの場合、マーチングのチームは固定の練習場所を持たない。持っていたとしてもライン引きっぱなしというわけにはいかない場合が多いと思います。
なので練習の最初にまずライン引きをするのですけど、それを素早く正確に行うための提案です。
それではよろしくお願いします。
マーチングのラインとは?
日本の場合、マーチングのラインは30m×30mの正方形を描き、それをさらに5mごとに区切ったポイントを入れたものが一般的です。
20m×20mの場合や、18m×18mや、25m×15mなどいろいろな場合がありますけど今日は30m×30mで考えます。
イメージとしてはこんな感じです。
ラインはどうやって引く?
巻き尺で寸法を測り、それに沿ってポイントを打っていきます。
こんな感じのものを使っていることが多いと思いますが、伸びやすかったり切れやすかったりしなければ安物でもいいのかな?と思います。
屋外で運動場のようなクレイの場合は石灰。体育館ではラインテープ。芝生の場合はマーカーを使うことが多いかと思います。
それぞれの工程を時短する
手順としては
①測量して ②ラインを書く という単純な手順です。
ですが、要領を心得ていないとこれがなかなか時間がかかります。
それぞれの時短ポイントを説明しますね。
三辺測量で正確に素早く測量する
三辺測量!!
早速なじみの薄い言葉が出てきましたけど、三辺測量とは、
三角形を構成する3つの辺の長さをあらかじめ決めておき、それによって三角形を正確に描く手法です。
例えば内角がそれぞれ45°・45°・90°の直角二等辺三角形の場合、3辺の長さの比は1:1:√2ですよね。
つまり、30m・30m・42.42mです。それを1つの底辺に対して2つ描き、それぞれの頂点をさらに結ぶとこのような図形が描けます。
見てのとおりですが、同時に必要な巻尺は6本。人員は最低5人必要です。
この形を作るために、
- まず3人で巻尺を3本使い、底辺(フロントライン)を定めて直角三角形を1つ作ります。
- 続いて、底辺に対してもう一つ直角三角形を作ります。巻尺を2本追加して1人追加で三角形の頂点を探ります
- 同時に、フロントラインに対して奥側の頂点同士が30mで接することを確認し、もう1人が斜辺の交点が概ね21m21cm3mmになることを確認します。
この段取りを省略して最初からセンターラインを入れた「田」の字をつくろうとしても直角が正確に描きにくいですし、おそらくこの方法が最速ではないかと思います。慣れてくると、上記1、2、3の手順をほぼ同時に展開できます。
これができたら、外周の5mごとの位置に仮のしるしを付けて、斜辺の巻き尺を45°回転させます。体育館の場合は先にポイントを貼るか、マーカーを置いて斜辺を回転させます。
センターラインにも5mごとにしるしを付けて、それをさらに結んだラインを引けば完成です。
しるしを付けた後の巻尺は動かしても大丈夫なので、最低6本の巻尺があればこのようなやり方ができます。
ラインテープを素早く張る方法
グラウンドで石灰を引く場合は、ポイントを「+」の字にいちいち描いていくのではなく、進路方向に「-」だけ引いていき、後でもう一度引いて「+」を描いた方がずっと早いです。2人でライン引きができる場合は分担するといいですね。
体育館の場合は、まず測量中にテープを必要な量、必要な長さにカットしておくといいです。
下敷きのようなものに仮にテープを貼って、下敷きの長さでカットすると長さが簡単に揃います。
ひたすらカットしたら、測量に参加していないメンバーの腕やら足やらに仮に貼り付けておきます。ふんわり貼っておくくらいなら、ほぼ粘着力に影響はありません。
測量が終わったらどんどん貼っていきますが、まずテープを半分の長さに粘着面が外側に来るように折り曲げて、折り目がポイントに来るように貼り付け、その後で折り曲げた半分を貼り付けると素早くきれいに貼れます。
使い終わった後のテープはフロアから剥がした後、ペットボトルなどのツルツルとした筒状のものに貼り付けておけば数回は再利用ができます。
1つの巻尺でもできる方法
巻尺をたくさん持っていないチームもあると思うのですが、大阪府吹奏楽連盟のYoutubeチャンネルで紹介されている方法もご参考ください。養生テープで仮ポイントを貼るのはいいアイデアですよね。
まとめ
準備はなるべく短時間でてきぱきと終わらせたいものです。
なので、必要な計測が終わったらさっさとマークを付けて次の作業にサクサク進んでいくことが大事です。リーダー役の人は必要な確認か所をしっかり声を出して確認し、次の手順をどんどん指示してあげることが大事ですね。
学校のグラウンドを毎日のように使用する場合は、アンカーになるマークをグラウンドに打ち込んでもよいか先生に相談してみましょう。
アンカーとは、要するに長い釘のようなものに色のついたしるしを付けて、それをケガの恐れがないようグラウンドに深く打ち込み、ポイント計測を簡略化するための印をつけるものになります。
慣れればライン引きは20分もかからなくなります。ただでさえマーチングはあらゆる練習に時間がかかるので、準備にかかる時間ぐらいは短縮できるといいですよね。
自分たちのチームではこうしている。この方が早いですよ。みたいなご意見がありましたらぜひ教えてください。
それでは。


