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ロッシュ:メロディアスエチュードについて

おはようございます。

「私とエチュード。」の第2回目です。

前回の予告通り、今回はメロディアスエチュードについて書いてみたいと思います。

実はこのエチュード、付き合いが長い割には個人的にあまり好きな本ではありません。

それで筆が遅くなったというのもあるのですが、まあ、お付き合いくださいませ(汗)

今日は前置き短めです。

それでは行ってみましょう。

 

ロッシュ:ボルドーニのヴォカリースに基づく 旋律的練習曲

何から書き始めましょうかね?

「ロッシュ」ってなに?

「ボルドーニ」ってなに?なんか美味しそうな響き(笑)

「ヴォカリース」ってなに?

謎ワードが多い気がするので、まずはそこから行きましょうか。

 

ロッシュ(Joannes Rochut)

ロッシュ氏については正直、あまり詳しくありません。

1925~1930年にボストン交響楽団で首席トロンボーン奏者を勤めていたらしいということと、恐らくフランス人なんだろうなと言うことくらいしか知りません。

メロディアスエチュードが出版されたのは1928年ということなので、概ね100年に渡って世界中のトロンボーン奏者にとっての超定番エチュードの座を譲っていないということになります。すごいですよね。

 

ボルドーニ(Giulio Marco Bordogni)

ボルドーニ氏(1788-1856)はイタリアのテノール歌手で、パリ音楽院で教えるなど教師としても優秀な人だったようです。

このエチュードに採用されている曲がいつごろ作曲されたのかは詳しくわからないのですが、19世紀前半ということでしょう。

この頃というのはロッシーニやヴェルディ、ベルリオーズなどが活躍した時代です。

 

ヴォカリース(ヴォカリーズ vocalise)

ヴォカリース(ヴォカリーズ)は、歌詞が無い母音だけで歌う曲やその歌唱法のことを言います。

発声練習にも多く使われますが、鑑賞に堪える作品も多くあります。ラフマニノフのヴォカリーズなんか特に有名ですよね。

元々は歌詞のある歌を歌詞無しで歌ったり、歌詞のない歌の練習曲にピアノ伴奏を付けたりしたもので、それによって機械的な練習曲がより音楽的表現力を身につけやすくなる事をねらったもののようです。

 

Melodious Etudes for Trombone

さて、ようやくメロディアスエチュードについてのお話をします。

この本はアメリカのカールフィッシャー社から出版されておりまして、日本で広く使われているのは1巻(60曲)だと思いますが、全部で3冊、合計120曲あります。

何年か前にアラン・ラフ氏(Alan Raph)の監修で新しい版が出てまして、こちらにはピアノ伴奏のPDF楽譜とMP3音源を入手できるダウンロード特典が付いています。

どうやらデュエット版もあるようですが、その辺りのことはよく知りません。興味が湧きましたら調べてみてください。

 

メロディアスエチュードのねらい

この本には解説は書いてありません。どの曲が何の練習なのか、自分で理解して練習する必要があります。

旋律の歌い方を学ぶ本。というのが多くの人のざっくりとした印象ですが、この本の最後に書いてある文章を見れば、この本の「ねらい」がはっきりと書かれています。

ポイント

1.あらゆる調の様々な音域・強弱を歌い上げる音色を磨く。

2.基本的なリズムとあらゆる種類の旋律を歌うことで表現の手段を理解し、芸術的要求に応える。

3.自然で表現力豊かな呼吸法と、特殊な呼吸法の両方を練習する。

4.前打音、短前打音、ターンやトリルなど、様々な装飾の、正しく合理的な演奏方を身につける。

「何の練習をしているのか」が明確だとモチベーションが上がるし、上達も早いと思います。

 

この本の使い方

私がこの本をさらい始めた当初は伴奏楽譜は標準装備ではありませんでしたので、もっぱら旋律だけをさらっておりました。

だがしかし、前述のようにそもそもヴォカリーズは練習曲に伴奏を付けて、音楽的表現力を身につけやすくしたものなので、早い段階から伴奏付きで練習するほうがずっと効果的なのだと思います。

レッスンについても管楽器指導者ではなく、歌の先生に指導を受ける方がより有益かもしれません。

歌の先生はトロンボーン(管楽器)ならではの演奏上の都合などお構いなしに指導するでしょうから「トロンボーンだから」という甘い考えが通用しないというのも良いと思います。

 

マゾいかな?

 

あまり好きではない理由。

最初に「付き合いが長い割にはあまり好きではない」と書きましたが、どこまでも個人的な理由ですけど「旋律があまり好きじゃないから」なんですよね。

決して嫌いなわけではないのですが、好きか?と聞かれたらちょっと返事に困る。っていうくらいです。

どちらかというと、同じような使い方ができるコンコーネの方が好きです。どちらかといえば、ですけどね。

コンコーネの最初のほうは割と簡単なので、演奏経験の少ない人にはむしろメロディアスエチュードよりも取り組みやすいんじゃないかと思います。

ただし、コンコーネはトロンボーンの音域を考えて書かれていませんし、ト音記号が読めないと使いづらいです。そのあたりを自己解決できるなら結構おすすめだと思います。

 

まとめ

今日の内容をおさらいします。

ポイント

  • メロディアスエチュードは、ボルドー二のヴォカリーズをトロンボーン向けに編曲した練習曲集。
  • 約100年もの間、鉄板エチュードの座に君臨する定番。
  • さらうだけなら比較的容易。だがこの本のねらいは他にある。
  • 早い段階から伴奏付きで取り組むのがオススメ。
  • 個人的には旋律があまり好きではない(爆)
  • 歌の先生に習うとさらに効果的かもしれない。

今日はこれにて。一気に書いたので疲れました(汗)

またお会いしましょうー。

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